初めての方でも安心!
ごはん土鍋の使い方と
品質・お手入れガイド
ごはん土鍋の使い始め
土鍋を初めて使うときに欠かせない「目止め」
土鍋を使い始める前にまずは「目止め」を行いましょう。目止めは、お粥を炊いて米のでんぷん質で土鍋の小さな穴を埋める作業です。これにより、土鍋の水漏れや臭いが染み込むリスクを軽減してくれます。目止めは、土鍋を長く安心してお使いいただくためにも大切な準備です。

目止めお粥の詳しい炊き方
- 土鍋をよく水洗いして水分を拭き取り、水を含みやすい底面を上にして自然乾燥させます。
- 乾燥させた土鍋に6分目ほどの水(またはお湯)と、水の1/5程度のごはん(炊飯後のもの)を入れます。
- ごはんをほぐしながら、弱火でとろとろになるまでゆっくりと炊きます。
- お粥が炊き上がったら火を止め、十分に冷めてから(1時間以上)お粥を取り除き、土鍋を水洗いしてください。
写真のように、七分粥くらいのとろとろした仕上がりになれば大丈夫です。目止め後のお粥は、食べられます。

「使い始め」に関するよくある質問
初めて使用する際は、水洗いして十分に乾燥させた後、「目止め」のためにお粥を炊いてください。これによりひびが入っても、長くお使いいただけます。
目止めをしないと、水漏れや臭いが染み込む可能性があります。また、ひび割れや寿命が短くなる原因にもなりますので、必ず行うことをおすすめします。
IHコンロには対応しておりませんので、ガスコンロをご使用ください。
小麦粉や片栗粉を使った目止め方法もあります。水に小麦粉(または片栗粉)を溶かして加熱することで、同様に気孔を埋めることができますが、お粥が一番効果的です。
1日置いてからご使用ください。目止めのお粥を炊いた後、水洗いして底面を上にして1日乾燥してからご使用ください。
食べても大丈夫です。ただし、土鍋を水洗いして乾燥させてからお粥を炊いてください。
初めての使用前は、洗剤ではなく水だけで軽く洗い流す程度で十分です。その後、目止めを行えば土鍋の内部が整い、安心して使えるようになります。
基本の炊き方レシピ
初心者でも手軽にごはんが炊ける、基本の炊き方
土鍋でごはんを炊くのは実はそれほど難しくありません。以下の手順を参考に、ふっくらとした美味しいごはんを炊いてみましょう。
材料(2合炊き分)
ごはん土鍋 | 4合炊きor2合炊き |
お米 | 2合 |
水 | 約400cc |
- お米を軽く研ぎ、ざるにあげて水を切ります。
- ごはん土鍋にお米2合と水約400ccを入れ、そのまま15分浸水させます。 これにより、お米がしっかりと水分を吸収し、ふっくらとした仕上がりになります。
- ごはん土鍋の蓋を閉じ、強火で約11分炊きます。 ぷつぷつと泡が立ち、激しく湯気が出始めたら沸騰の合図です。
- 火を止めたら、蓋を開けずにそのまま15分蒸らします。 蒸らすことで、ご飯全体がふんわりと均一に炊き上がります。
※こちらの炊き方は一例です。お米の種類(新米・古米・玄米・雑穀米など)やご使用のコンロ火力によっても異なりますので、お好みの炊き加減に合わせて調整しながら、ぜひ自分だけの美味しいご飯を見つけてください。
「ごはん土鍋の炊き方」に関するよくある質問
一般的には、お米1合に対して水200mlが目安です。お米の種類や好みによって調整してください。柔らかめが好きな場合は少し多め、固めが好きな場合は少し少なめにすると良いでしょう。
最初は強火で10〜15分加熱し、沸騰して湯気が出てきたら火を止めて15分ほど蒸らせばふっくらと炊き上がります。
蒸らすことで、鍋の中でご飯全体に熱が均一に行き渡り、ふっくらした仕上がりになります。蒸らさずに蓋を開けると、表面は柔らかくても中が固かったりすることがあります。
水分量やコンロの火加減が強すぎることが原因で吹きこぼれることがあります。コンロによっても火力差がありますので、中火で沸騰させる、沸騰してきたら弱火にするなど工夫してください。
いくつか方法があります。詳しくは困りごと解決Q&Aを参照ください。
吹きこぼれた場合は、まず火を弱め一度ふたを開けてください。そうすると収まります。土鍋の外側にこぼれた部分を布巾で拭き取りながら、再び弱火で炊き続けます。
はい、炊き込みご飯やお粥などさまざまな料理にお使いいただけます。炊き込みご飯や味の濃い料理を作った後は、匂いうつりを防ぐためにも、なるべく早く土鍋を洗うことをおすすめします。
品質と風合いについて
手づくり陶器の風合いと品質、その特徴とは?
信楽焼は、自然の土や釉薬を使い窯でじっくり焼き上げる伝統的な製法でつくっています。そのため、色むらや小さなピンホール、鉄粉といった特徴が生まれます。これらは製造工程で自然に現れるものであり、陶器ならではの個性と風合いの一部でもあります。そのため、ピンホールや色むらなど初期品質についての交換はできかねますので予めご了承ください。
<ピンホール>
素焼きをしたとき素地に残った空気や有機物が、焼成後に小さな穴として残る場合があり、その小さな穴をピンホールといいます。ご利用にあたっての心配は必要ありません。

<色むら・色はば>
流れやすい釉薬を使用しているため、焼成中に釉薬が上から下に流れて模様ができる場合があります。また、焼成時の置く場所や温度によっても色に個体差が出る場合があります。

特性上の経年変化について
陶器は使い込むほどに風合いや色が変化し、味わい深さが増すのが魅力です。こうした経年変化は、大切に使い続けた証。使用に問題はありませんので、日々の暮らしに寄り添いながら、陶器の個性を楽しんでいただければ幸いです。
<ひび>
陶器は素材の特性上、表面に細かなひびが入ることがあります。これらは急激な温度変化などの影響で生じることが多く、土鍋の底面などによく見られますが、通常は使用に支障はありません。ひび模様も大切に使い込まれた味わい深い表情のひとつです。

<こげ>
炎が当たる部分はガスの煤や油煙で黒くなることがあります。一旦付着すると除去できませんがご使用に差支えございません。ご利用頻度によってその変化は異なりますが、土鍋が育つ経年変化としてお楽しみいただけますと幸いです。

<欠け>
縁や角は衝撃に弱いため、落としたりぶつけたりすると小さく欠けが生じることがあります。欠けた部分は釉薬が剥がれた素地が見えますが、安全に使用できることがほとんどです。

「品質と風合い」に関するよくある質問
いいえ、色むらやピンホールは製造工程で自然に生まれるものであり、土鍋の品質には影響しません。これらは手づくりならではの個性であり、陶器の風合いとしてお楽しみください。
土鍋は、自然素材の土や釉薬を使用し、焼成時の温度や湿度によって色味や風合いが変化する特性があります。そのため、同じ製品でもロットごとに色幅が生じる場合があります。また、製品の品質改良に伴い原料変更を重ねているため、以前ご購入の場合と色味や質感が異なることがあります。
はい、底面に小さなひびが入るのは、焼き物特有の自然な現象です。使用には問題ありませんが、気になる場合は目止めを再度行うことで安心してお使いいただけます。ただし、側面にまで伸びている大きなひびが入っている場合は、破損の恐れもございますのでご使用をお控えください。
土鍋は使用するたびに風合いや色合いが変化し、独自の個性が生まれます。これを「土鍋を育てる」と呼び、使うほどに愛着が湧く魅力として楽しんでいただけます。
土鍋の風合いの変化を完全に防ぐことは難しいですが、日々のお手入れを丁寧に行うことで、変化を緩やかにすることができます。ただし、これらの変化は陶器の魅力でもありますので、ぜひ楽しんでいただければ幸いです。
はい、問題ありません。土鍋の蓋は完全に密閉されるようには作られていません。少しガタつきがあることで、炊飯中に蒸気を適度に逃がす効果も。土鍋の製作の特性上、蓋と本体にわずかな個体差が生じることがありますが、使用には影響ありませんのでご安心ください。
ざらざらした底は陶器の特性上避けられません。そのまま使うとテーブルなどを傷つける可能性があるため、鍋敷きを敷いてご使用いただくと安心です。
日常のお手入れ
土鍋のお手入れの基本は「よく乾かす」こと
土鍋を長く愛用するためには、日頃のお手入れがとても大切です。以下のポイントを参考に、日々のケアを行ってください。
1. 使用後はなるべく早く洗いましょう
ご飯や料理を作った後は、なるべく早く土鍋を洗うことがポイントです。ぬるま湯と柔らかいスポンジを使い、優しく汚れを落としてください。汚れが気になる場合は、中性洗剤を少量使って洗うのがおすすめです。金属たわしや研磨剤の使用は避けてください。

2. しっかり乾燥させる
洗い終わった土鍋は、必ずしっかり乾燥させてから保管してください。湿気が残ったままだと、カビや臭いの原因になります。布巾などの上で底面を上に向けて自然乾燥させるときれいに乾きます。

「日常のお手入れ」に関するよくある質問
はい、中性洗剤を使って洗うことができます。ただし、洗剤の成分が残らないようにしっかりすすぎ、洗った後は完全に乾燥させてください。強い洗剤や金属たわしの使用は避けてください。
土鍋は、使い終わったらなるべく早く洗うのがおすすめです。汚れが乾いて固まる前に洗うことで、簡単に汚れを落とせます。また、汚れが取れにくい場合は、土鍋に水を張ってしばらくつけ置きしてから洗うと、汚れが柔らかくなり、スムーズに落とせます。柔らかいスポンジを使い、ゴシゴシと強くこすらないよう注意してください。
焦げ付いて取りにくい場合は、土鍋に水を張り重曹を大さじ1加えて10〜15分ほど煮立たせる方法が効果的です。その後、冷めてから柔らかいスポンジで汚れを落としてください。ゴシゴシこすりすぎないよう注意してください。
水を土鍋に入れ、重曹を大さじ1〜2杯加えて10分程度弱火で煮ると、臭いが軽減します。その後、しっかり洗い流して乾燥させてください。自然な消臭法として、お茶殻を使うのも効果的です。
土鍋を乾燥させないと、湿気が原因でカビが発生したり、臭いが染み込むことがあります。また、土鍋は多孔質のため、水分が内部に残ると次回使用時に急激な加熱で膨張し、ひびの原因になることもあります。乾燥は土鍋を長持ちさせ、清潔に保つための大切なケアです。洗浄後はしっかり水分を拭き取り、底を上にして自然乾燥させてください。
お酢の殺菌・消臭効果を利用します。土鍋に7分目くらいの水・酢大さじ2~3杯を入れ、沸騰後そのまま約10分煮沸してください。カビの跡は残る場合がありますが、カビ自体は死滅します。
日々のお手入れで目止めを行う必要はありません。目止めは、土鍋を初めて使うときや、ひび割れができたとき、長期間使用しなかった後に行うもので頻繁に行う必要はありません。
炎が当たる部分はガスの煤や油煙で黒くなります。一旦付着すると除去できませんがご使用に差支えございません。ご利用頻度によってその変化は異なりますが、土鍋が育つ経年変化もお楽しみいただけますと幸いです。
困りごと解決Q&A
Q.土鍋の底面にひびが入ってきたけど、使用していても大丈夫?
A.ひびは使用していると入るもの、定期的な目止めでメンテナンスをしよう。
ひびは、急激な温度変化などの影響で生じることが多く、土鍋の底面などによく見られますが、通常は使用に支障はありません。ひびが目につき出したら、定期的に「目止め」を行っていただくことで、水漏れなどのリスクを軽減することができます。

| POINT |
急激な温度変化は土鍋を傷める原因になります。例えば、冷たい土鍋を直接火にかけたり、熱い状態で冷水を注ぐのは避けてください。また、使用後は必ず冷ましてから洗うようにしましょう。
Q.吹きこぼれを防ぐ方法はないの?
A.蒸気を逃したり湿った布巾を利用すると、吹きこぼれが軽減できます。
水分量やコンロの火加減が強すぎることが原因で吹きこぼれることがあります。コンロによっても火力差がありますので、中火で沸騰させる、沸騰してきたら弱火にするなど工夫してみてください。

| POINT |
火加減調整の他にも、ふたの蒸気穴に濡れ布巾をかぶせたり、蓋と本体の設置面にぐるっと濡れ布巾を挟んで炊く、ふたを少しずらして蒸気を逃しながら炊くことも効果的です。他にも水分量・浸水時間を守る(お米が吸水していないと吹きこぼれやすくなります)ことも大切です。布巾がはみ出て燃えないようご注意ください。その場合、ご使用中は離れないようにお気をつけください。

Q.土鍋が焦げ付いてしまったとき、どうやって落とせばいいですか?
A.しつこい焦げ付きの場合は、重曹を入れて煮立ててみる。
焦げ付いて取りにくい場合は、土鍋に水を張り重曹を大さじ1加えて10〜15分ほど煮立たせる方法が効果的です。その後、冷めてから柔らかいスポンジで汚れを落としてください。ゴシゴシこすりすぎないよう注意してください。

| POINT |
自然な色の変化は土鍋を「育てている証」でもありますので、無理に完全に落とそうとせず、風合いとして楽しむこともおすすめです。